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FLOW症状別 診察の流れ

動物たちの症状に
合わせた治療計画

大切な家族である犬や猫は、身体の調子が悪くても言葉で伝えることができません。いつもと違い元気がない、これまでになかったしこりがあるなど、日頃の生活の中で飼い主様が感じる違和感があったとき、それが動物たちからの不調のサインです。

水島動物病院では、地域で生活する犬・猫たちのかかりつけ医として、あらゆる症状を診察しています。動物たちを最優先に考え、症状の原因を見極めるとともに、症状に合わせた治療計画を飼い主様にご提案いたします。

ささいなことでも結構です。次のような症状が見られた場合は、当院まで早めにご相談ください。

症状別受診の目安について

緊急性のある症状
以下の症状が見られる場合は、様子を見ず、すぐに病院へご来院ください。

  • 大量の出血がある。

    出血部位が目視できる場合は、すぐに圧迫止血を行い、そのままご来院ください。

  • 痙攣が止まらない。

    5分以上続く痙攣、5分以下でも繰り返し痙攣が起こる場合は、速やかに病院へご来院ください。

  • 意識がなく呼び掛けに反応がない。

    ショック状態、脳神経系の障害の可能性があります。

  • 頻回の嘔吐や下痢がありぐったりしている。

    異物の誤食による食道・腸閉塞、腹膜炎、細菌性・ウイルス性腸炎などの可能性があります。

  • しんどそうに上を向いて荒い呼吸をしている

    重度の肺水腫や胸水貯留、肺炎などの疑いがあります。

  • 歯茎の色が真っ白になっている。

    ショック状態、重度貧血などが考えられます。

  • 雌犬・雌猫の陰部から膿がたくさん出ている

    避妊手術をしていない犬猫であれば、子宮に膿が貯まる病気“子宮蓄膿症”の可能性があります

  • 急にお腹が張ってきて、嘔吐しようとするが何も出てこない。苦しそうにしている。

    特に、食後間もない大型犬の場合は“胃拡張捻転症候群”の可能性があります。 ダックスフンドなどの小型犬でも発症する場合があります。急速に状態が悪化する事が多いので、すぐに来院をおすすめします。

  • 急に立てなくなった。

    椎間板ヘルニアや脳神経疾患、不整脈を伴う心疾患、出血や感染症などによるショック、 アナフィラキシーショックなどの可能性があります。

なるべく早く診察を受けるべき症状
以下の症状がある場合には、獣医師による診察をお勧めします。

  • 急速に痩せてきた。

    糖尿病、腎不全、心不全、腫瘍などの他、様々な病気が考えられます。

  • 異常に水を飲むようになった。

    糖尿病、腎不全、腫瘍、肝不全、子宮蓄膿症、クッシング症候群など、様々な病気による症状のひとつである可能性があります。

  • 最近疲れやすく、咳をするようになった。

    心不全、呼吸器疾患、肺腫瘍などの可能性があります。

  • お腹が腫れて痩せてきた

    腹腔内腫瘍、心不全やフィラリア症、または様々な病気から起こる低たんぱく血症が原因となった腹水貯留などが考えられます。

  • 尿の色や臭いがおかしい。

    膀胱炎、腎・膀胱・尿道の結石や腫瘍、肝疾患、溶血性疾患などが考えられます。

  • 下痢が続いている。血便をしている。

    消化管寄生虫、細菌性・ウイルス性腸炎、膵炎、炎症性腸疾患、消化管腫瘍、食餌性アレルギーなどの可能性があります。まずは便検査をお勧めします。

  • 耳から膿が出ている

    外耳炎や中耳炎を疑います。

  • 顔が腫れてきた

    アレルギー症状、歯廔(歯性化膿性病巣)、腫瘍などの可能性があります。

  • 皮膚のできものが日に日に大きくなっている

    皮膚腫瘍や炎症性のしこりである可能性があります。

  • 鼻血が出る

    鼻炎、鼻腔内腫瘍、歯廔、止血異常などの可能性があります。

  • 咳き込むことが多くなった

    心不全、呼吸器疾患などの可能性があります。

  • 最近元気がなく、食欲が落ちてきた

    様々な病気のサインかもしれません。動物たちは言葉を話せません。 獣医師の診察をお勧めします。

急を要しないが、病気を疑う症状

  • 皮膚が赤く、痒みがひどい。

    アトピー性皮膚炎、食餌アレルギー性皮膚炎、皮膚寄生虫、感染性皮膚炎などの可能性があります。

  • 痒みを伴わない脱毛がある。

    ニキビダニ症や内分泌疾患、毛周期異常などの可能性があります。

  • 耳の中が汚れている、痒がる

    外耳炎や耳ダニ症の可能性があります。

  • 目ヤニが多い

    結膜炎、外傷性角膜炎、東洋眼虫症などの可能性があります。

  • 歯石がたくさん付いている

    歯周病が疑われます。

主な症状別診察の流れ

しこりがある

考えられる疾患
悪性腫瘍、良性腫瘍 感染症など

主な検査や治療法
しこりの触診とともに、いつからあるのか、大きくなってきているのか、痛みはあるのかなど飼い主様からお話を詳しくお聞きします。
細い針で細胞を採取し検査することでしこりの原因を調べていきます。
腫瘍が疑われる場合には、より正確な診断をするために、レントゲン検査、超音波検査、血液検査なども組み合わせて行うことがあります。まず、腫瘍の診断をできるだけ正確に行い、その上で、どんな治療方法があるのかを飼い主様とお話していきます。腫瘍は見た目だけでは良性、悪性の判断はできません。腫瘍の種類、進行度と飼い主様のご希望を考慮しながら治療の目的(根治治療・緩和治療・支持治療)を決定し、外科療法、化学療法(抗がん剤)、対症療法などを組み合わせた治療をおこなっていきます。

咳が出る・
呼吸が荒い

考えられる疾患
心臓病、気管虚脱、気管支炎、肺炎、肺水腫、肺腫瘍、胸水など

主な検査や治療法
咳をして元気がない、疲れやすくなった、咳が止まらなくなってきた、しんどそうに呼吸しているなど、様子が普段と違う場合には、緊急性の高い病気であることも多いため、出来るだけ早い受診をおすすめします。
まず動物の呼吸状態を確認し、呼吸困難を伴っているような場合には、酸素吸入などを行い、少し動物を落ち着かせてから検査を始めます。(動物の呼吸が荒く状態が悪い場合には、必ず受付でお申し出ください。早急に対応させて頂きます。)聴診器で肺の音、心臓の音を検査し、必要に応じてレントゲン検査、超音波検査などを行い原因を調べます。それぞれの原因に応じた治療を行っていきます。。

下痢をしている

考えられる疾患
細菌性腸炎、ウイルス性腸炎、寄生虫性腸炎、慢性腸症、腸リンパ管拡張症、消化器系腫瘍など

主な検査や治療法
できるだけ便も一緒にご持参ください。(便はナイロン袋やラップに、“便のみ”を入れて持って来て頂けると、検査がスムーズにできます。)
便検査では便の性状や、色、出血の有無などを確認した上で、寄生虫感染や未消化物の状態を検査します。
下痢は犬や猫によくみられる症状ですが、1日に何度も下痢・嘔吐があったり長く続いたりしている場合には、早めの受診をおすすめします。まずは糞便検査を行いますが、経過の長い下痢が続いている場合には、血液検査や超音波検査なども必要に応じて行います。
便に寄生虫がみられた場合には、その寄生虫の種類に合わせた駆虫薬の投与を行います。寄生虫の見られない下痢の場合には、下痢止め、抗菌薬、整腸剤、食事療法などを組み合わせた治療を行います。

水をよく飲む
(多飲多尿)

考えられる疾患
腎臓病、肝臓疾患、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)、糖尿病、子宮蓄膿症など

主な検査や治療法
水を飲む量が増えているのは、病気のサインである場合があります。「そういえば水をよく飲んでいるな」と感じた時は、1日の飲水量を記録してみてください。
正常な犬の飲水量は20~90ml/kg/day、尿量は20~45ml/kg/day、正常な猫の飲水量は0~45ml/kg/day(食事からの水分摂取を除く)、尿量は20~40ml/kg/dayが基準となる量です。
明らかに普段より飲水量が増えている場合は、早めの検査をおすすめします。血液検査や尿検査などで多飲多尿の原因を調べていきます。多飲多尿の原因が特定できれば、それぞれの病気に合わせた治療を行います。

皮膚をかゆがる

考えられる疾患
ノミ・疥癬などの外部寄生虫感染、アレルギー性皮膚炎、膿皮症、マラセチア皮膚炎、皮膚糸状菌症など

主な検査や治療法
視診、毛検査、皮膚掻爬検査、細胞診などを行い、痒みを起こしている原因を詳しく調べます。(皮膚検査を行うため、受診直前のシャンプーは控えてください。状態の悪い皮膚のままで見せて頂けるのがベストです。)
ノミや疥癬などの外部寄生虫感染が原因である場合には、内服薬やスポットオンタイプの外用薬で駆除を行います。
真菌性感染症が原因である場合には、シャンプー療法や抗真菌薬の内服を組み合わせて治療を行います。
膿皮症が原因である場合には、抗菌剤による全身療法と外用薬、シャンプー療法などを組み合わせて、皮膚の細菌感染症の治療を行います。必要な場合には、膿皮症の原因となっている細菌を特定し、より適切な抗菌薬の選択をするために細菌培養検査・薬剤感受性検査を行います。
アレルギー性皮膚炎が原因である場合には、長期に渡り痒みや皮膚炎のコントロールが必要になります。内用・外用ステロイド薬のほか、免疫抑制剤、抗掻痒剤、シャンプー療法、スキンケア、食事療法などを組み合わせて、動物たちの不快な痒みを最小限にできるよう治療を行います。

尿の色が赤い

考えられる疾患
膀胱炎、尿路系結石、泌尿器系腫瘍、溶血性疾患(バベシア症、タマネギ中毒、免疫介在性溶血性貧血、急性のフィラリア症など)

主な検査や治療法
赤色尿の原因には、泌尿器の出血により尿中に赤血球が混入する「血尿(濁りのある赤い尿)」と、溶血という血管内で何らかの要因により赤血球が破壊されたことで起こる「血色素尿(赤ワインのような尿)」があります。尿検査を行うことで、血尿なのか血色素尿なのかを判断します。「血尿」の場合には、泌尿器系からの出血を考えるため、出血の原因を調べていきます。「血色素尿」の場合には、血管内で赤血球が破壊されている原因を調べていきます。血色素尿は動物が重度の貧血を起こしていることが多いため、緊急性の高い症状です。
尿検査が必要なため、受診直前の排尿は避けていただき、できるだけ尿を貯めた状態でご来院ください。
それぞれの原因に応じて内科治療や外科治療を行います。

嘔吐をしている

考えられる疾患
胆汁嘔吐症候群、消化管の炎症・腫瘍、異物摂取、膵炎、肝胆道系疾患、中毒、代謝性疾患、泌尿器疾患など)

主な検査や治療法
ワンちゃんで比較的多くみられる嘔吐は、胆汁嘔吐症候群というものがあります。元気なワンちゃんが、空腹時に黄色い液を吐くというものです。空腹時に十二指腸内に分泌された胆汁が胃に逆流し、その刺激で嘔吐が起こります。胆汁は濃い黄色であるため、吐いたものは黄色い液体となります。通常、一般状態は良好のため、食事の回数や時間帯を変更し、空腹時間を短くすることで多くの場合、症状の改善がみられます。
また、元気や食欲の低下を伴った嘔吐、頻回の嘔吐、大量の嘔吐、便臭のする嘔吐、多量の血の混じった嘔吐などがみられる場合には、動物の状態は悪いことが多いので、様子を見ず早めの受診をおすすめします。嘔吐の原因は多岐にわたるため、正しい診断をするためには、飼い主様からお伝えいただく情報が大切です。
問診では、異物誤飲の可能性や盗み食い・拾い食いの有無、食べているフードやおやつの種類などたくさんの事をお聞きしますので、動物の状態をよく知っている方がお連れください。問診により必要と考えられた検査(血液検査、レントゲン検査、超音波検査など)を行い、嘔吐の原因を調べます。動物の状態が悪い場合には、入院下で脱水や電解質異常などの治療を行いながら検査を進めていくこともあります。それぞれの原因に応じて内科治療や外科治療を行います。